せっかく掴んだ内定が取り消しになるかもしれないと考えるととても恐ろしいですよね。ニュースを見ていると、違法な内定取り消しで揉めているケースも見受けられます。今回は、就活生の皆さんが内定取り消しに過度に怯えなくていいように、法的に内定取り消しが認められるケースと、直近10年間で内定取り消し事案に発展した事例、内定取り消しを防ぐための対策についてお伝えします。
内定取り消しを法的に認められるケース6つ
ほとんどの場合、企業側の都合での内定取り消しは違法になります。しかし、一定の条件が揃うと企業側は合法的に内定取り消しをすることが可能になります。この場合、内定取り消しについて就活生が企業側と争う余地がありません。以下に、違法ではない内定取り消しのケースを挙げます。
1.詐欺や不正行為の発覚
就職希望者が履歴書や面接で虚偽の情報を提供し、企業がその事実を知った場合、内定取り消しが認められることがあります。また、就職試験や筆記試験で不正行為が発覚した場合も、内定取り消しの対象となることがあります。
2.過去の犯罪行為や不祥事の発覚
内定者が過去に違法行為や不祥事に関与していたことが判明し、その事実が企業の信頼性や業務遂行能力に重大な影響を及ぼすと判断された場合、内定取り消しが認められることがあります。
3.重大な適性不備の発覚
内定者が、企業の業務に対して重大な適性不備があることが発覚した場合、内定取り消しが認められることがあります。これには、必要な資格やスキルがないことや、精神的・身体的な問題が含まれることがあります。
4.業務上の不適合
内定者が、業務上の適性や能力が明らかに不足していることが確認された場合、内定取り消しが認められることがあります。ただし、このような判断は状況によって異なります。
5.経済的理由
企業の業績悪化や経済危機により、雇用を維持できなくなった場合、内定取り消しを行うことが認められることがあります。こちらが、特段問題のない場合でも起こりうる内定取り消しのケースで、就活生が注意しなければならないものです。ただし、業績悪化したら全て合法的になるわけではなく、業績悪化の程度が深刻であることに加え、内定取り消しを行う前に、企業は適切な対策や努力を行うことが求められます。
6.合意による内定取り消し
こちらは問題となることがほとんどありませんが、企業と内定者が、何らかの理由で合意の上で内定を取り消すことが認められる場合があります。実際には、内定者が合意する場合、内定辞退になることがほとんどですので、何らかの特別の理由がある場合に限られる稀なケースです。
内定取り消しになる場合、各企業や求職者の個別具体的な要因が絡むことになるため、一概に内定取り消しになる要素を挙げることは困難です。しかし、過去10年間の内定取り消し事例を調べるといくつかのパターンがありました。以下に、いくつかの内定取り消し事案の要因や背景をまとめました。
最近10年間で内定取り消しになった事例の原因
1.経済危機や業績悪化
世界的な金融危機や業績悪化により、企業が予算削減や人員削減を余儀なくされることがあります。その結果、内定が取り消されるケースが発生します。例えば、2008年のリーマン・ショックや新型コロナウイルス（COVID-19）のパンデミックによる経済的影響が挙げられます。
https://news.yahoo.co.jp/articles/01c1ceb5abfd37f2fb0771d397792cc5e9b55701
2.就職活動における不正行為
就職活動中に、就職希望者が履歴書や面接で虚偽の情報を提供するなどの不正行為を行った場合、企業がその事実を知った後で内定を取り消すことがあります。
3.社会的問題や不祥事
就職希望者が過去に違法行為や不祥事に関与していたことが発覚した場合、企業はその信頼性や適性に疑問を持ち、内定を取り消すことがあります。
4.インターネットやSNSでの問題行動
就職希望者がインターネットやSNSで過去に不適切な発言や行動を行っていたことが発覚した場合、企業はその倫理観や適性を疑問視し、内定を取り消すことがあります。
5.内定者の意思表示
就職希望者が内定後に他の企業からも内定を受け、最終的に別の企業への就職を選択した場合、内定を辞退することがあります。これは企業側が内定を取り消すわけではありませんが、内定が実現しない事例として含めました。
最近10年間に起きた内定取り消し事案には、これらの要因が大きく関与しています。ただし、各事例の詳細や背後にある事情は異なりますので、一概にすべての事例を一括りにすることはできません。では、内定取り消しにならないためにどんな対策が取れるのでしょうか。
内定取り消しを防ぐために有効な対策6つ
1.就職活動における情報の正確性
就職希望者は、履歴書や面接で正確な情報を提供することが重要です。虚偽の情報が発覚すると、内定が取り消されるリスクが高まります。
2.インターネットやSNSでの自己管理
SNSやインターネット上での発言や行動には注意が必要です。不適切な内容が企業に知られると、内定が取り消される可能性があります。プライバシー設定の見直しや過去の投稿の削除など、自己管理を徹底することが望ましいです。
3.過去の不祥事や違法行為の対処
過去の不祥事や違法行為がある場合、それが企業に知られる前に自ら説明することが重要です。隠そうとすると、後で問題が発覚した際に信頼を失い、内定が取り消されるリスクが高まります。
4.コミュニケーションと透明性
企業側も、採用プロセスや内定後のフォローアップを透明性を持って行うことが重要です。選考基準や内定条件を明確にし、内定者に対して十分な情報提供やサポートを行うことで、内定取り消しを回避することができます。
5.経済状況や業績の変動に対する対策
企業は、経済状況や業績の変動に対応できるような柔軟性を持つことが重要です。例えば、予算や人員の見直しを行う際に、内定者の採用計画を最小限に影響するような方法を検討することが望ましいです。
せっかく掴んだ内定を無くさないためにも、就活生の皆さんには特に注意していただきたいです。
一方で、最近10年間に起きた内定取り消し事案は、就職希望者と企業双方にとって教訓となるものです。今後は、お互いが対策を講じることで、内定取り消しを減らし、安定した採用環境を構築することが求められます。
内定後のトラブルを避けるために企業に求められる対策4つ
1.メンタルヘルスのケア
就職希望者は、内定取り消しのリスクを減らすために、メンタルヘルスを維持することも重要です。ストレスや不安が高じると、適性を疑われるような行動や発言をしてしまうことがあります。メンタルヘルスを維持するために、適切な休息やストレス発散法を見つけ、サポートを求めることが大切です。
2.内定者のスキルアップとキャリア開発
企業は、内定者が自己成長を続けることができる環境を整えることが重要です。内定後の研修や教育プログラムを充実させることで、内定者のスキルアップやキャリア開発を促し、内定取り消しのリスクを低減することができます。
3.フィードバックの活用
内定取り消しにつながる問題が発生した場合、企業と就職希望者双方がフィードバックを活用して改善策を見つけることが大切です。問題の原因や改善点を共有し、今後の採用活動や内定者のケアに反映させることで、内定取り消しを未然に防ぐことができます。
4.法律・倫理・社会的規範の遵守
企業と就職希望者は、法律・倫理・社会的規範を遵守することで、内定取り消しを防ぐことができます。企業は、選考プロセスや雇用条件に関する法律を遵守し、適切な労働環境を提供することが重要です。就職希望者は、違法行為や不祥事を犯さず、企業の倫理規定や社会的規範に従うことが求められます。
これらの対策を講じることで、内定取り消しのリスクを最小限に抑え、双方にとって良好な採用環境を築くことができます。
いかがでしたか。
